前回、『ゼロ・グラビティ』を紹介したので、
今回は久しぶりに単語の解説をします。
「gravity = 重力」はおなじみですが、
そもそも重力とは、地球が物体を引きつける「引力」ですね。
例えば、gravitateという動詞は次のように使われます。
He gravitated toward the field of clothing design.
「彼は服飾デザインの分野に引き寄せられた。」
慶応の理工でも出題されています。
By accessing the telescope’s imagery via the Internet, Perlmutter was
able to study new type-Ia supernovae from his office in Berkeley. In
1992 they discovered a type Ia at redshift* 0.46, from a time nearly
halfway back to the Big Bang ― a new record. Meanwhile, new scientists gravitated to his team, by then known as the Supernova Cosmology Project.
下線部の意味に最も近いものを選びなさい。
1.were attracted 2.were introduced 3.were led 4.were scouted
2013 慶応義塾大学 理工
正解は1. were attracted ですね。
魅力で引きつけるという意味のattractと言い換え可能です。
また、単純にgravityの「重さ」を意識すると、「物事の重大さ」という意味にもなります。
こちらは映画で耳にする表現です。
aggravateという動詞も「重くする」という意味で、病気や困難を悪化させるという意味で使われています。
aggravate the damage「傷を悪化させる」
aggravate the situation「状況を悪化させる」
大学入試では主に医学部で、語彙問題に出題されています。
TOEICのpart 4でも出題されていました。
3つとも要チェックの単語です。
・gravitate「引きつける」
・gravity「物事の重大さ」
・aggravate「悪化させる」
理系出身ですが英語教えてます
受験英語という「最高の素材」と
映画の中で使われる英語の「リアリティー」を
真理を求める「科学者の視点」を通して調理・提供していきます
2015年4月30日木曜日
2015年4月24日金曜日
『ゼロ・グラビティ』(2013)【オススメ映画100選】3/100
先日発売されたテキストでも扱われている映画です。
アカデミー賞も7部門受賞!
最近はセミナー開催するほど『インターステラー』にハマっていますが、似た系統の映画として、『ゼロ・グラビティ』は自信を持ってオススメできる映画です。
普段宇宙ものの映画を観ない方にも是非見ていただきたいです。
◇オススメポイント
・宇宙に取り残される絶望感
あの広い無重力空間に放り出されるのを想像するだけでゾッとしますが、アルフォンソ・キュアロン監督の長回し映像によりさらに絶望感が煽られます。映画開始から17分間の超長回し映像...
スペースデブリ(宇宙を飛び交う破片)の脅威をリアルに味わうことができます。
IMAX3Dで鑑賞しましたが、3Dはまさにこの映画のためにあると思えるほど絶望しました。
スペースデブリはいわゆる宇宙ゴミなんですが、実際に地球の周りを軌道を秒速8kmで回っているので、ぶつかれば人工衛星でも爆発するそうです。
・対比される希望
ラストシーンにかけても緊張感満載で心臓バクバクなんですが、最後のセリフと、タイトルの"Gravity" が表示された瞬間、涙が溢れます。
詳しくは是非見ていただきたいですが、この映画のラストは希望に溢れています。
邦題は『ゼロ・グラビティ』 になってしまっていますが、
原題は”Gravity”です。
映画には変な邦題がつくことが時々ありますが、
この作品もその一つです。
ただ、英語講師的な視点で見ると、
邦題と原題のギャップを比べることで学べることがあります。
是非、映画をご覧になって、原題の意味を考えてみてください。
2015年4月20日月曜日
テキスト『English Delight of Movie English and TOEIC』
映画英語教育学会のメンバーとして執筆したテキストが本日発売されました。
本の執筆は目標の一つなので、今回のテキスト執筆は夢への第一歩です。
映画に関する英文を読み、TOEIC形式の問題を解くという内容です。
今回、僕はUnit 10の『ソーシャル・ネットワーク』に関する英文と問題の作成を行いました。
予備校での授業は大学入試の過去問を使うことが主なので、
素材を選び、どう料理するかが仕事なんですが、
今回は素材を作るところから関わることができたので、
とてもいい経験になりました。
TOEICの英文は広告やメールなので、読んでいて全く面白くありません。
市販の公式問題集などでTOEIC形式の問題を解いていると、
もう、イヤになってくるんです。
これは多くの学習者が同じだと思います。
このテキストは映画好きであればもちろん、
映画にあまり興味が無い方も、英米文化や社会問題に触れることができるので
面白い内容になっています。
扱っている映画も『塔の上のラプンツェル』(2010)、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』 (2012)、『マネーボール』(2011)や『ゼロ・グラビティ』(2013)など、最近の映画が多く、個人的にもオススメな映画ばかりです。
僕も他の執筆者が書いた箇所を読みましたが、とても面白かったです。
普段授業するときは料理人の気持ちですが、今回は素材を育てる農家の気持ちです。
多くの文法事項や語彙が学べるように英文を丹念に作りこんだので、
読めば読むほど骨太な英語力をつけることができるはずです。
オススメ映画100選の連載記事も始めたので、
近々このテキストに使われる映画も紹介していきたいと思います。
*****
今回、お世話になっている方々に献本させていただいたのですが、
関正生先生、土岐田健太先生にブログでご紹介いただきました。
身に余るお心遣いに感謝の気持ちでいっぱいです。
この場を借りて改めてお礼申し上げます。
2015年4月6日月曜日
『マトリックス』(1999)【オススメ映画100選】2/100
いわずと知れた名作ですが、今の高校生・大学生は見たことがない人が多いようです。
アクションも素晴らしいですが、哲学的なテーマをじっくり考察しても面白い作品です。
◇オススメポイント
ウォシャウスキー兄弟の最高傑作です。15年も前の映画ですが、今見ても楽しめる革新的な映像。
テーマも「電脳世界」といった仮想現実であり、今のSNSにも当てはまるところがあります。
(LINEやTwitterもときどきアカウントを乗っ取られている人がいますが、「あ、エージェントスミスだ」みたいに思ったりします。笑)
作品中に散りばめられたメタファーも見どころです。聖書をモチーフにした暗示が多いので探してみるのも面白いです。
ウォシャウスキー姉弟の最新作の『ジュピター』は、個人的にはイマイチでしたが、『マトリックス』は映像以外にも深みがある映画なので、是非。
◇好きなセリフ
There is a difference between
knowing the path and walking the path.
knowing the path and walking the path.
違うのだ
道を知ることと
実際に歩むことは
2015年4月5日日曜日
『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』(2002)【オススメ映画100選】1/100
文化を学べたり、いいセリフがある映画を中心に、英語講師の視点でオススメの映画を紹介していきます。
◇あらすじ
『 マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』 はアメリカを舞台にしたラブコメディ。ギリシャ系アメリカ人女性と、普通のアメリカ人男性が結婚します。
◇オススメポイント
異文化間のコミュニケーションを描いたもので、これ以上の作品はないでしょう。「ギリシャ人はギリシャ人と結婚しなくてはならない」と刷り込まれて育ったトゥーラはごくごく普通のイケメン(?)アメリカ人に恋に落ちます。ギリシャ人であることを誇りに思っているお父さんに猛反対されますが、徐々に打ち解けていきます。
日本人からみると、アメリカ人はテンションが高くて、すぐハグするイメージがあると思いますが、ギリシャ人はそんなアメリカ人が引いてしまうくらいハイテンションで、ものすごい勢いでハグします。
ハグやキスなどの接触行動は文化によって違うことが知られていますが、映画で疑似体験できるところがいいです。
もちろん映画なので、脚色はありますが、強烈なハグを受けてドン引いているアメリカ人がコミカルに描かれています。
結婚式もギリシャ式で行われるのですが、ギリシャ式の結婚式では花嫁がバージンロードを歩く時にみんなでツバを吐きかけます。魔除けの意味があるらしいのですが、なかなかの衝撃です。笑
式は終始ギリシャ語で行われるので、参列した花婿の両親にとってはチンプンカンプンなんですが、このときに父親が言う"It's all Greek to me." というセリフもシャレがきいていていいですね。
字幕では「何を言ってるのかしら」に対して「ギリシャ語さ」となっていますが、この表現はシェイクスピアの引用で「チンプンカンプンだ」という意味で使われるので、言った後のお父さんの顔が得意げなんですね。
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