公開初日に観てきました。
□あらすじ
ガン患者の集会で出会った二人の物語。□感想
『(500) 日のサマー』と同じ脚本コンビということで楽しみにしてましたが、期待を裏切らない感動でした。
母がガンになってから、不治の病いやガンをテーマにした作品は意識してみていますが、
同じテーマの作品の中では一番共感できました。
こういった作品の良さは、今まで言葉にできなかった感情に形を与えてくれることです。
ガンがテーマの作品はたいてい、カップルの片方が病気なんですが、今回はヘイゼルが肺ガン、オーガスタスが骨肉腫と、2人とも重いガンを患っています。
つまり患者側の感情と、残される側の感情が一人のキャラクターの中に共存しているんです。
残される側の感情を上手く描いた作品はあまりなかったんですが、
今作はその点を繊細に描いています。
「深夜の電話は恋人の死を知らせる電話かもしれない」
僕も、普段電話を掛けてこない父が電話を掛けてくると、すごく不安な気持ちになります。
なぜ不安になるのか、あまり意識していなかったんですが、
もしかしたら母のガンの再発を知らせる電話かもしれない、とか
誰か亡くなったのかも、とか
瞬間的に考えているのだと思います。
不安を漠然としたまま放っておくと、大きくなっていくばかりですが、
映画として物語に触れる事で、映像、音楽、言葉によって不安の正体を理解できます。
それだけでもだいぶ楽になるものです。
他にガンがテーマの映画でお勧めなのは、
ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演の『50/50 フィフティ・フィフティ』とガス・ヴァンサント監督、ミア・ワシコウスカ主演の『永遠のぼくたち』です。
『50/50 フィフティ・フィフティ』は5年生存率(5年後に生きている確率)が50パーセントの脊髄癌になった27歳の若者が主役で、ガン患者への接し方を考えさせられる作品でした。セス・ローゲンも出ていて、重いテーマをコミカルに描いているのも魅力的です。
『永遠のぼくたち』は他人の葬儀に勝手に参列する趣味がある少年と、脳腫瘍の少女が出会うお話で、とても美しい作品です。加瀬亮がイマジナリーフレンド(想像上の友達)としてでてきますが、彼も魅力的なキャラクターです。
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