□感想
誰もが知ってる名作ミュージカルの最新映画版です。泣けて笑えて、とってもいい映画なんですが、ミュージカル映画は俳優の口の動きと歌がシンクロしてなかったりするので、どうしても没入感が削がれちゃいます。
トム・フーパー監督の『レ・ミゼラブル』のような、俳優の動きに合わせた録音をしない限りそうなってしまうので、しょうがないといえばしょうがないんですが、ちょっとだけ残念でした。
□素晴らしいところ
今回のアニーの素晴らしいところは、楽曲の良さはもちろんですが、「今」のアメリカが抱える社会問題を学べるところでしょう。昔のアニーは世界恐慌で落ち込むアメリカがニューディール政策によって景気回復する流れを描いていますが、今回はハーレム(ニューヨークの黒人居住区)に住む子ども達が抱える問題や、養子に関する問題に焦点が当てられ、ポップに描いてはいますが、華やかなニューヨークの裏にある影の部分を見せてくれています。
※この先ややネタバレあり
もっとも印象に残ったのは「アニーが読み書きができない」ということですね。
15歳以上で読み書きができる人口の割合を「識字率(literacy rate)」といいます。
日本はほぼ100パーセントなので、「読み書きができない」ということ自体、ピンと来にくいですが、教育環境の整っていない国では40%くらいのところもあります。
アメリカの識字率もほぼ100%ですが、英語に限定すると50%ほどしかないそうです。
これは移民が多いことが主な原因ですが、今回のアニーを見ていると、ニューヨークのような都会でも劣悪な環境におかれている子どもがいるということを考えさせられます。
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