2015年2月26日木曜日

前期日程終了 お疲れ様でした。

後期を受ける人はまだまだ気が抜けませんが、
入試が終わって開放感に浸っている人はさっそく新しいことを始めましょう。

□英語

英語に関して言えば、受験期に研ぎ澄ました力をナマクラにしないために、
良質な英文に触れるようにしてください。

自力で構文は把握できるのであれば、多読用の教材として、テーマ別英単語academic 初級がオススメです。



1日1〜3個の英文を丁寧に構文をとって読んだ後、CDでオーバーラッピング→シャドウイングすれば教養とともに英語力がつきます。

一周してしまえば音声だけ持ち歩いて、歩きながらシャドウイングをすれば毎日確実に勉強時間が確保できます。



今日、一人TOEICのことを聞きに来た生徒がいましたが、
資格試験もアリだと思います。

TOEICを受けるならとりあえず今すぐ申し込むことです。
なんなら質問に来る前に申し込んでいるのがベスト。
行動力がある人は伸びます。



□読書

授業中に何冊かオススメしたものもありますが、
これから一生かけてたくさん本を読みましょう。

今日オススメしたのは世界がわかる理系の名著 (文春新書)です。




ダーウィンの種の起源や、ニュートンのプリンキピアなどが分かりやすく説明されています。
受験の英文でも登場するので、親しみのある科学者もいるはずです。
生い立ちなども興味深いですが、それぞれの科学者の記述の最後にある「ニュートン後」などのコラムがオススメです。
その科学者に関する本が紹介してあるので、その本を手に入れ、さらに知識を深めていくのもいいでしょう。

本は、「今日は5冊買う」などと決めて本屋に行って、少しでも興味が湧いたものを手当たり次第に読んだ方が、知識と教養だけでなく、選別眼が身につきます。
あまり人に頼らず、自分の時間とお金をかけた方がいいのが読書というものです。


□映画

本と同じようにレンタルショップに行って手当たり次第に借りるのも効用がありますが、好きな作品があれば同じ監督が撮っているものや、同じ俳優が出ているものから攻めていくといいでしょう。

何人か、受験が終わったら映画50本オススメすると約束してると思うので、
是非聞きに来てください。


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現役生予備校の生徒は、今後香椎校には行かないので、来てくれるのであれば、赤坂校に火木金あたりで来てくれると嬉しいです。
報告はこのブログのトップにある「CONTACT」のフォームを使ってもOKです。

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冒頭に新しい事を始めましょうと言いましたが、僕も来年度にかけてchallengingな仕事が一つはじまりました。
なかなか体力と気力を使いますが、成長するきっかけになりそうでとても楽しいです。
ある程度形になったときに公開できたらと思っています。

個人主催のセミナーも行っていくので、卒業生の方も是非参加してください。

まずは3月29日のハリーポッターの呪文で学ぶ英単語の授業です。

是非。

https://eventon.jp/331/











2015年2月23日月曜日

『きっと、星のせいじゃない』、原題はシェイクスピアの引用


こないだは感想だけ書いたので、今日はタイトルについて。

原題は "The Fault In Our Stars" はなので、直訳すると「運命(星)の罪」になるので、邦題は「星のせい」でないと一見逆の意味になってしまいますね。

このタイトルはジュリアス・シーザーの第1幕第2場でカエサルがブルータスに対して言うセリフの引用です。

The fault, dear Brutus, is not in our stars,
But in ourselves, that we are underlings.

「その失敗は運命(星)のせいではなく、我々自身のせいだ」という意味になる有名なセリフです。

星が運命をつかさどることはイメージしやすいはずです。

原作の小説のタイトルについてもいろいろな解釈がされているようですが、
このタイトルが意味するところは「2人がガンになったのは、自分たちのせいではなく、星のせい」ということでしょう。

小説の邦題は『さよならを待つふたりのために』 なので、この引用の意味は完全に消えているんですが、

映画の邦題は「きっと、」に込められた意味が強く、そのあとに「星のせいじゃない」と続けても、最終的な意味は「星のせい」ということになります。
僕もタイトルが発表されたときは不思議に思ってましたが、
映画を観終わって納得できました。

原題と邦題の差はよく議論の的になりますが、今回は原題の意味を殺さず、絶妙につけられていると思います。

『ゼロ・グラビティ』(原題:Gravity)や『ダークナイト・ライジング』(原題:The Dark Knight Rises)などは最悪ですが、じっくり考えると勉強になるので教材にはもってこいです。気になったらいろいろ調べてみると面白いですよ。

シェイクスピアの引用で言えば世界のエリートがみんな使っているシェイクスピアの英語 (講談社パワー・イングリッシュ)がオススメです。


『きっと、星のせいじゃない』も小説版の方があらすじで言及されていたり、映画の中の用例が多く紹介されているので、とても楽しく読めました。
実際の会話でどう使えばいいかも簡単に書いてあるので、ぜひチェックしてみてください。







『きっと、星のせいじゃない』★★★★★



公開初日に観てきました。

あらすじ

ガン患者の集会で出会った二人の物語。

感想

『(500) 日のサマー』と同じ脚本コンビということで楽しみにしてましたが、
期待を裏切らない感動でした。

母がガンになってから、不治の病いやガンをテーマにした作品は意識してみていますが、
同じテーマの作品の中では一番共感できました。

こういった作品の良さは、今まで言葉にできなかった感情に形を与えてくれることです。

ガンがテーマの作品はたいてい、カップルの片方が病気なんですが、今回はヘイゼルが肺ガン、オーガスタスが骨肉腫と、2人とも重いガンを患っています。
つまり患者側の感情と、残される側の感情が一人のキャラクターの中に共存しているんです。
残される側の感情を上手く描いた作品はあまりなかったんですが、
今作はその点を繊細に描いています。

「深夜の電話は恋人の死を知らせる電話かもしれない」

僕も、普段電話を掛けてこない父が電話を掛けてくると、すごく不安な気持ちになります。
なぜ不安になるのか、あまり意識していなかったんですが、
もしかしたら母のガンの再発を知らせる電話かもしれない、とか
誰か亡くなったのかも、とか
瞬間的に考えているのだと思います。

不安を漠然としたまま放っておくと、大きくなっていくばかりですが、
映画として物語に触れる事で、映像、音楽、言葉によって不安の正体を理解できます。
それだけでもだいぶ楽になるものです。

他にガンがテーマの映画でお勧めなのは、
ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演の『50/50 フィフティ・フィフティ』とガス・ヴァンサント監督、ミア・ワシコウスカ主演の『永遠のぼくたち』です。

 『50/50 フィフティ・フィフティ』は5年生存率(5年後に生きている確率)が50パーセントの脊髄癌になった27歳の若者が主役で、ガン患者への接し方を考えさせられる作品でした。セス・ローゲンも出ていて、重いテーマをコミカルに描いているのも魅力的です。




『永遠のぼくたち』は他人の葬儀に勝手に参列する趣味がある少年と、脳腫瘍の少女が出会うお話で、とても美しい作品です。加瀬亮がイマジナリーフレンド(想像上の友達)としてでてきますが、彼も魅力的なキャラクターです。







2015年2月10日火曜日

『ANNIE/アニー』(2015) ★★★ 今のアメリカが抱える社会問題




感想

誰もが知ってる名作ミュージカルの最新映画版です。

泣けて笑えて、とってもいい映画なんですが、ミュージカル映画は俳優の口の動きと歌がシンクロしてなかったりするので、どうしても没入感が削がれちゃいます。

トム・フーパー監督の『レ・ミゼラブル』のような、俳優の動きに合わせた録音をしない限りそうなってしまうので、しょうがないといえばしょうがないんですが、ちょっとだけ残念でした。


素晴らしいところ

今回のアニーの素晴らしいところは、楽曲の良さはもちろんですが、「今」のアメリカが抱える社会問題を学べるところでしょう。

昔のアニーは世界恐慌で落ち込むアメリカがニューディール政策によって景気回復する流れを描いていますが、今回はハーレム(ニューヨークの黒人居住区)に住む子ども達が抱える問題や、養子に関する問題に焦点が当てられ、ポップに描いてはいますが、華やかなニューヨークの裏にある影の部分を見せてくれています。


※この先ややネタバレあり