さて、Vフォー・ヴェンデッタに捧ぐ連続更新、第4夜です。
今日はダンスシーンの名言をとりあげます。
Vの思想がよくあらわれた人気の高いセリフです。
では、直前のやりとりから見ていきましょう。
※ネタバレあります
革命前夜、 一度だけ会うことを約束していたイヴィーはVのシャドー・ギャラリーを訪れます。
そしてVはイヴィーに贈り物があることを伝えます。
(1:46:28〜)
"I have a gift for you, Evey."
"But, if I give it to you, I'd like to ask you something."
"Would you... dance with me?"
Would youのあとに置く間が絶妙です。
"Now?"
"On the eve of your revolution?"
この後に続くセリフが今日のメインですね。
"A revolution without dancing is
a revolution not worth having."
withoutは「〜無しで」といった感じでよいので、
A revolution without dancingはそのまま「ダンスのない革命」ですね。
worthはworth ~ingで「〜する価値がある」なので、
たとえば This movie is worth watching. で「この映画は観る価値がある」といった感じになります。
似た意味をもつ単語にdeserveがあります。
deserveは動詞なので、たとえば He deserves death. とすると「彼は死に値する」となります。
is worth = deserve と覚えておいてもいいです。
これらの後ろにhavingやdeathなど動詞になおせそうなものがある場合は、
「〜すべき」とするのがオススメです。
「この映画は見る価値がある」→「この映画を観るべき」
「彼は死に値する」→「彼は死ぬべき」
こうすれば意味がわかりやすくなりますよね。
a revolution not worth havingは
「する価値のない革命」→「するべきじゃない革命」となります。
ちなみに、このセリフにも元ネタがあります。
アメリカのアナーキスト・フェミニストのエマ・ゴールドマンの自伝、"Living My Life"に書かれた、
"If I can't dance to it, it's not my revolution."
という文です。
解放的な思想を持ちながら芸術も大切にするVにマッチするいいセリフですよね。
特典映像のなかでイヴィーを演じるナタリー・ポートマンが言及していましたが、
イギリスの政治家ウィンストン・チャーチルも、戦時中に芸術への経費を削減するように言われた際、
「何のための戦争だ」
と言ったそうです。
(ちなみにV for Vendettaというタイトルはチャーチルが第二次大戦中に使ったV for Victoryを元にしてます)
芸術や文化は国家の財産です。それを守るために戦わなければ何のために戦っているかわからない、という考えですね。
昨年からすこしずつ動き始めていますが、 毎年この時期にちょっとしたイベントを開催しようと思います。
公にできるまで何年かかるか分かりませんが、シンボルになるようなイベントを作りたいと思います。
では、今日はここで終わりにします。
明日は"Penny for the guy."など予備知識が無いと分かりづらいセリフについて解説します。
お楽しみに。
ダンスシーン、すごく良いですよね。...dance with me? の間とその時の声がVの気持ちを表現していて大好きなシーンです。名言もかっこ良い~。解説ありがとうございます!
返信削除ああいう葛藤は原作よりも綺麗に描かれているので、映画版の優れたところですね。ダンスの名言も使ってみたいので革命をプロットしようと思います。笑
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