今日は『欲望のバージニア』を掘り下げて、少しだけ単語の話をします。
禁酒法の時代背景については前回の記事で触れたのでこちらを参考に。
『華麗なるギャツビー』『欲望のバージニア』、狂騒の1920年代
『欲望のバージニア』
あらすじ: 禁酒法時代のバージニア州、ボンデュラント3兄弟は密造酒ビジネスで幅を利かせていた。野心家の三男ジャック(シャイア・ラブーフ)は牧師の娘バーサの気 を引こうと苦心し、リーダー格の次男フォレスト(トム・ハーディ)は、シカゴから来たワケありの過去を持っていそうな女性マギー(ジェシカ・チャステイ ン)と恋仲になる。そんな時、新たに着任した特別補佐官レイクス(ガイ・ピアース)が法外な賄賂を求めてくる。レイクスの要求を拒否した兄弟は、非道な脅迫にさらされることとなり……。シネマトゥデイ
とまあ、あらすじはコピペで済ませますが、 物語の主人公は実在した「不滅」の三兄弟、ボンデュラント兄弟です。
「不滅」と言われてるくらいなので、もう全然死にません。
そんななか、3兄弟の末っ子であるジャック(シャイア・プーフ)に対して、ヒロインのミア・ワシコウスカ(かわいい)が言うセリフの中に "invincible" という単語があります。
この"invincible"が「不滅」という意味で使われています。
この単語を分解すると、
in + vinc + ible
となり、inは「否定」、vincは「征服する」、ibleは「〜されることができる」
=「征服されることができない」→「無敵」「不滅」といった感じで一つの単語ができていることがわかります。
vincの「征服する」という意味はvictoryの「勝利」と同じ。相手の領土を「征服する」=「勝利」です。
-ibleや-ableと動詞が組合わさった形容詞は言い換えれば can be + 過去分詞
なので、incredibleやunbelievable「信じられない」と合わせて考えると応用が利きます。
(ちなみにincredibleのcredは「信用する」意味で、クレジットカードは「信用」に基づいて後からお金を払うシステム、会社などで使われるクレドは「信条」の意味ですね。)
invincibleという単語は『スパイダーマン』の悪役グリーンゴブリンのセリフや、昨日DVDで観た『オズ はじまりの物語』でも登場していました。
この単語を使って「不滅」と言われた『欲望のバージニア』のジャックは
「invincible...意味わかんないけど響きがかっこいいね...!」
くらいの反応だったので酒の密造とかしちゃってる教養のない人にはレベルの高い単語みたいですが、分解して考えれば覚えやすいので覚えていい単語だと思います。
(意味もかっこいいし...!)
受験生向けに一つ書いておくと、
vincやvicという部品は入試に頻出のconvinceという単語の一部でもあります。
「納得させる」という意味で使われますが、
conは「完全に」という意味の強意の意味でcompleteのcomと同じなので
相手の頭の中を自分の考えで完全に征服するという意味が本来の意味です。
そこから「納得させる」「確信させる」という意味に繋がっているんですね。
以前『レ・ミゼラブル』の記事で登場したhomeの意味と合わせて下の問題を考えてみるとおもしろいです。
問 下線部と同じ意味になるものを1~4の中から選びなさい。
You must bring home to her that she is wrong.
1. believe 2. convince 3. scold 4. tell
中央大学
答えと解説は次回に持ち越します!
お楽しみに!
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