2013年12月31日火曜日

【2013年映画満足度ランキング】+ひとこと感想

個人的な好みを存分に反映させたランキングなので、
そのあたりを理解して読んでいただけると助かります!

ではさっそく、1位〜10位までを。


第1位 『ゼロ・グラビティ』


もう好みとか関係なく、ダントツの第1位でした。
映像の美しさも脚本も編集も全てカンペキ。

ただの宇宙パニック映画じゃないです。
あらゆる人にオススメできる人間ドラマです。

緻密に計算されたメタファーと対比も素晴らしいです。

邦題には無重力であることを示すため「ゼロ」がついていますが、
原題はGRAVITY(重力)です。
これだけ意識して観るとよりいっそう素晴らしいはずです。

DVDやブルーレイで観るのはもったいないです。
映画館の大画面と音響あってこその映画だと思います。
公開終了したら、一生体験できない美しさがあります。
まだ公開中なので、是非映画館で、IMAX3Dで、楽しんでください。


2013年12月20日金曜日

『おおかみこどもの雨と雪』 日本人がオオカミ人間を描くとこうなる

金曜ロードショーで放送されるらしいので、珍しく邦画のお話です。


簡単に、サクっと書くので、気軽に読んでみてください。
英語の話は無し。文化の話がメインです。


この映画から分かるのは、日本人と欧米人がオオカミをどういう視点で見ているか、でしょう。

 まず海外のオオカミ人間を描いた映画を見てみると、

『アンダーワールド』シリーズでは、ヴァンパイアとオオカミ人間が戦います。


この映画に登場するオオカミ人間はこんなんです。


恐いです。モンスターです。


『ハリー・ポッター』シリーズに登場するオオカミ人間もこんな感じ。





欧米の人々はオオカミに対してかなりネガティブなイメージを持っているのが分かります。

童話『3匹のこぶた』、『赤ずきん』でもオオカミは悪者ですよね。

北欧神話にもフェンリルというオオカミが神の敵として登場します。



では、日本人はオオカミに対してどういうイメージを持っているでしょうか。

『おおかみこどもの雨と雪』では「オオカミはなんでいつも悪者なの?」と尋ねるシーンがあります。

ただ、オオカミが悪者として描かれた作品は、全て海外から入ってきたものなんですよね。

自分が持っているイメージを考えてみると、童話や映画の影響で多少悪いイメージがあるかもしれませんが、

そもそもそんなに印象が強くないんじゃないでしょうか。

欧米的な「オオカミ=絶対悪者」という感覚はないはずです。



まとめると、

☆オオカミにたいする考え方
欧米 → 悪者 ネガティブ
日本 → そんなに悪いイメージは持ってない

となります。

ここで、なぜ日本人と欧米人の考え方に違いが生まれたのか考えてみると、文化背景がわかります。

根幹になる考え方は、

欧米人が牧畜主体の民族で、日本人が農耕主体の民族であることです。

欧米人は家畜として牛や羊、豚の飼育を中心に生活しているので、
夜中に大切な家畜を襲いにくるオオカミは脅威だったわけです。

一方で、日本人は農作物中心の生活なので、
害になるのはイノシシやシカなどの草食動物です。
オオカミは草食動物を狩ってくれるので、
どちらかといえばプラスのイメージが強いです。

また、狩りがとても上手なので、狩猟採集中心の生活をしていたインディアンの人々にとっては、神聖な生き物としてとらえられることもあります。アクセサリーがあるので肉食動物であるワシもデザインに使われています。
同じようにアイヌ民族もクマを神聖視するので、熊送りというお祭りがあるそうです。




地理的、民族的な文化が今の物語や映画にまで影響していると思うとおもしろいですよね。

『おおかみこども雨と雪』という作品は、欧米化されつつある日本人のオオカミ観を、本来のプラスのイメージを取りもどすきっかけにもなるんじゃないかなと思います。


この映画は大好きな映画で、同じ細田守監督の『時をかける少女』『サマーウォーズ』も好きです。

細田監督の映画は、なんでもないシーンで泣いちゃうんですよね。
それだけ、キャラクターの心理がよく描かれているんだと思います。

『おおかみこどもの雨と雪』でも「ナナメってる!」というセリフでなぜか泣きました。
かわいいシーンなのに。。よく分からんですね。


ちなみにオオカミと月は関連づけて描かれることが多いですが、
これにも文化的な理由があります。

「月」に対するイメージの違いもそのうち記事にしますね。

では。



 

2013年12月5日木曜日

勉強法 英語の王道


英語力をつける王道は継続することです。

他の科目でも毎日勉強すれば伸びますが、
英語ほど日頃の積み重ねが直接結果に結びつく科目は無いんです。

ただ、同じことを毎日続けるのって想像以上に難しいんですよね。

今回はその壁を突破し、骨太な英語力を身につけるための方法を紹介します。

以前も手帳を使って勉強の自己管理を行う方法を紹介しましたが、

僕がこの一年で行ったのはアクションプランナーという手帳に付いている、
PROJECT AT A GLANCEという表を利用したものです。


以前は単語、音読などを記号で管理してましたが、
表にすると長期間の流れが一目で分かるのでモチベーションアップにも繋がります。


「俺こんなにがんばったんだー」って感じです。


具体的にやるべきことを2つだけ。

1. 日々の音読

どこに行っても通用する英語力を身につけるには次の3ステップが大切です。

① まずは参考書や授業で文法や構文の知識をしっかり身につける

② 次に、英文を読む時に文法・構文を意識して読む

③ 最後に、文法・構文を無意識に把握できるようになるまで繰り返す

この意識→無意識の流れがとても重要です。
毎回構文を意識して読んでいると時間が足りなくなってしまうので、
無意識に知識が使えるところまで落とし込んでやらないといけません。

高校生であれば学校の教科書、受験生であれば入試問題の英文、
社会人の英語学習者であれば映画のスクリプトなどを教材にするといいと思います。

僕は変化をつけないと飽きちゃうので、映画のセリフや、入試問題の英文で気に入ったもの、『リンガメタリカ』などの単語帳を気分で使い分けています。

冷蔵庫にプリントアウトしたものを貼って、毎朝・毎晩読むようにしてます。


下に僕がExcelで作った表を載せておくので、ダウンロードして使ってみてください。

僕はチェックしかしていませんが、音読した回数を記録してもいいでしょうね。



2. 単語

英語を勉強していて、一番根気が必要なのは単語の暗記だと思います。

僕が他の記事で解説しているようなインパクトがある単語であればすんなり覚えられますが、そのまま覚えた方が速い単語も存在するわけです。

学校の単語テストのために勉強して、
覚えたつもりになっていても、しばらく時間が経つと忘れちゃう。

こういう人が多いと思います。

インパクトがない単語は定期的に覚えないと忘れます。

個性が強い人は一度会えば忘れませんが、
普通の人は何度か会わないと忘れちゃいますよね。
そんな感じです。

計画的に会う回数を増やす必要があるわけです。

ここでも重要なのが意識→無意識の流れです。

難しい単語でも、「apple→リンゴ」のように無意識に意味が頭に思い浮かぶレベルまで反復する必要があります。

100語覚えたければ5日間連続でその100語だけを覚えるのも有効です。
学校の単語テストの範囲に会わせる場合はこの方法がやりやすいでしょう。

小学生のころに毎日遊んでたような友達の事って、
長い間会ってなくても忘れないですよね。

5日間連続で一気に覚えた単語はしばらく時間が経ってもなかなか忘れません。

もちろん定期的に確認してやる必要はありますが、
そこも表を使って計画を立てていれば楽にできるはずです。




まず、英語で必須なのは以上の2つですが、学生は他の科目も勉強しないといけないので、
たとえば、数学は「微分・積分を毎日やる」といった感じで管理を行うといいです。



 アレンジの仕方はいろいろあるので、例えば上の画像の一段目のように、
「5日間やって2日休み」を繰り返す方法でもいいと思います。
金曜日に単語テストがあるのを想定するとこんな感じになります。

3日坊主で、続いたためしが無いという人は、
3段目、4段目のように、「初めの3日は音読、次の3日は単語」などのように、
短いスパンでテーマを分けて勉強してみるといいです。


時々、どんな本をどうやって読むのか、どうやって年間300本も映画を見るのか等
訊かれることがあるので、この機会に紹介しておきますね。

実際に僕がやっているのは以下の6つです。

①軽い運動
②読書
③映画
④入試問題の分析
⑤音読
⑥単語

僕は仕事につながるこの6つの項目だけやればいいので毎日するようにしています。

①軽い運動
ジョギングをする時期があったり、腕立て伏せと腹筋をする時期があったり、ある程度幅を持たせておくことで、毎日続けられるようにしています。
体調が悪いときはしません。
やる気がでないときは、ドラゴンボールのDVDを流したりしてモチベーションを保ってます。

②読書
新書、ビジネス書、語学書、参考書、ブルーバックス等です。
小説はあまり読めてません。
テレビを見るのをやめたので、食事中も読んでることが多いです。
英語講師の仕事に活かすため、将来自分も本を出すための勉強として読んでます。
何度か自分で立てたノルマが厳しすぎて挫折しかけていますが、
今では一日最低一冊は軽くこなせるようになりました。
目的意識と習慣づけが大事な気がします。

③映画
半分趣味、半分仕事です。
セリフ、文化背景の分析も兼ねて観ていますが、
読書や運動と違って全く苦にならないので、疲れたときは映画を観るようにしてます。
電車の移動中、ときどき歩きながらでも観てます。
僕の英語講師としての武器はこれなので、誰にも負けないようにしてます。

④入試問題の分析
全国大学入試問題正解から気分で選んだ問題を解いてます。
予備校・塾講師は入試問題をみるとテンションが上がる変態が多いです。
僕もその一人なので、ひたすら机に向かえます。
これは講師として最低限必要な資質かもしれないですね。

⑤音読
上でも書きましたが、プリントアウトしたものを冷蔵庫に貼って音読してます。
音読をするときはプラスのイメージが大切なので、猛烈に気に入った英文をテンション上げて読むか、かっこいいと思う映画の主人公のマネをするといいです。
僕は『Vフォー・ヴェンデッタ』のVのスピーチをよく音読してます。
Vを演じているヒューゴ・ウィービングはオーストラリア出身ですが、
この映画に出ているときは元英国首相のHarold Wilsonのアクセントを真似ているらしく、とても綺麗で知的な発音です。
他に俳優でオススメなのはレクター博士ことアンソニー・ホプキンスですね。『アトランティスの心』あたりがいいんじゃないでしょうか。
女優だとアン・ハサウェイです。声優の仕事もしているので発音が綺麗です。
『プラダを着た悪魔』『猫の恩返し』の英語版がオススメです。

⑥単語
毎日英語を教えていてもけっこうな速度で忘れていきます。
マニアックな単語は覚えると仕事上よくないので、
受験用の単語帳を分析も兼ねて使ってみています。



軽い運動や、音読のところにも書いてますが、
毎日継続するのにはプラスのイメージが大切です。
僕の場合はドラゴンボールや『バットマン・ビギンズ』の腕立てシーンです。

この2つは筋トレ以外でも、家で仕事しているときにテンションが落ちたときは曲なり映画なりを流してます。





"夢中になれるものが
いつか君をすげえやつにするんだ"
  


もう嫌だ、もうやめたいって思っても、
語学の努力は絶対に裏切らないので
根気強く、がんばりましょうね。

2013年11月21日木曜日

『ハリー・ポッター』魔法の英単語 リディクラス "バカ笑い!"

『ハリー・ポッター』魔法の英単語、第3弾はリディクラス "バカ笑い!"です。

*****
魔法の名前はほとんどがラテン語やギリシャ語から作られていて、英単語もラテン語をはじめとするさまざまな言語を語源としています。
市販の語源の本も最近はイラストが豊富で覚えやすいものがたくさんありますが、
『ハリー・ポッター』を観ている人にとって魔法ほどインパクトがあるものってないんですよね。
せっかくだから利用して単語を増やそう!ってことで連載しております。
①アセンディオ "昇れ!"
②ペトリフィカス・トタルス "石化せよ!"
****

リディクラスは『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』、リーマス・ルーピン先生の授業で練習する、形態模写妖怪のボガートを追い払うための呪文です。



リディクラスは英語にも似た単語がありますね。

ridiculous (形容詞)「ばかばかしい、おかしな」です。

発音はリディキュラス。ほぼそのままですよね。

『プラダを着た悪魔』のミランダとアンディが車内で会話しているシーン(1:38:05)で使われています。ミランダがアンディに対して「あなたは私に似てるわ」と言ったあと、アンディが反論しますね。そこでミランダが言うセリフはこんな感じです。

"Don't be ridiculous. Andrea. Everybody wants this. Everybody wants to be us."

さて、ridiculous自体はそれほど難しい単語ではないので、
ここからは上級者・受験生向けに上智大学の問題を使って解説を行います。


問 次の英文の下線部の意味に、もっとも近いものを1~4の中から一つ選びなさい。
It was unnecessary to make fun of your sister in front of everybody. She seemed so embarrassed.
1. amuse          2. fool              3. ridicule           4. entertain
上智


2013年11月18日月曜日

『ハリー・ポッター』魔法の英単語 ペトリフィカス・トタルス "石化せよ!"

連載第2弾目はペトリフィカス・トタルス "石化せよ!"です。

いろんな場面で使われていますが、印象的なのは『ハリー・ポッターと半純血のプリンス』で、列車の中、マルフォイが透明マントをかぶったハリーに対して使うシーンでしょう。



この呪文を受けてハリーは石になります。 (マルフォイ、すごい顔してますね...)


石になって動けません。

この呪文はPetrificus Totalusはpetrify(石化する)とラテン語のtotalis(全体)の合成語です。

今回のメインはpetr-で、これは「石」を意味しています。

petr-(石) + -ify(〜にする)=「石化する」となっています。

この語源を利用して、

petroleum「石油」

petrol「ガソリン」

を覚えましょう。

会話でgasolinと同じ意味でpetrolを使うことはよくあります。

入試で言えば、

In Cyberjaya, petrol-fuelled vehicles will be banned and a low population density will be encouraged.
「サイバージャヤでは、ガソリン車が禁止され、人口密度を下げることが奨励される」
(はこだて未来大学)

といった感じで使われています。


僕が受験生だったころ、よくpetroleum「石油」とcoal「石炭」がごっちゃになってました。
--------------------------------------------------------------------------------------
次の日本分と英文が同じになるように(    )内の英語を並び替えると、1語足りない。その足りない1語を1~4よりひとつ選べ。
石炭は燃料として大部分石油にとって代わられた。


Coal has [to / petroleum / fuel / largely / as / given].


1. substitute        2. place        3. step        4. opportunity

中央大学

--------------------------------------------------------------------------------------

こんな問題が出されると、あれ?どっちがどっちだっけ?ってなってました。

ただ、

petroleumを分解してみると、

petrは「石」でoleumoilと似てます。つまり「油」なんですよね。

petrolも同じようにolをoilと同じだと判断しておけば間違いません。


ちなみにcoal「石炭」の方はchacoalと関連づけると覚えやすいです。

チャコールグレーは墨色、つまり「炭」です。

chacoalは「木炭 」ですね。

エネルギー問題は入試でもテーマになりやすいので、石油、石炭ははっきり区別できるように覚えときましょう。


*****
ここからは余談ですが、バチカン市国にあるサン・ピエトロ大聖堂も石に関係しています。


サン・ピエトロ大聖堂のピエトロはペトロをイタリア語読みしたものです。

ペトロはキリストの使徒の一人で、サン・ピエトロ大聖堂はペトロの墓の上に建てられました。

ペトロの本名はSimon(シモン)でしたが、イエス・キリストに「お前は石である。その上に私の教会を建てる」 と言われたことに由来して「石」を意味するペトロというあだ名が定着したようです。

映画『ダヴィンチ・コード』の続編、『天使と悪魔』バチカンを舞台にしているので、映画を観るとサン・ピエトロ大聖堂の様子がよくわかるはずです。
ローマ教皇を選出するコンクラーヴェもしっかり描かれているので面白いですよ。


サン・ピエトロ大聖堂には行ったことがあるんですが、入るのにめちゃくちゃ並びます。



写真の奥の方までズラーーーっと並んでるの、伝わりますかね。

この時はほとんど何の知識も無く勢いで行ってしまったので、
「なんか分からんが、すげえな」って感じでした。笑

今はキリスト教関連の本もたくさん読んでるので、
次に行くときには見え方が全然違うはずです。

知識や知恵が増えると世界の見え方が変わるんですよね。

次はいつ行けるかなあ。。



では、今日はこのへんで!

次は『アズカバンの囚人』に登場するリディクラス!にします。





2013年11月15日金曜日

『ハリー・ポッター』魔法の英単語 アセンディオ "昇れ!"


ハリー・ポッターシリーズの魔法の名前はほとんどがラテン語からギリシャ語から作られたもので、中には英単語を覚える時に役に立つものがあります。

ハリー・ポッターが好きな方にとっては魔法を唱えるシーンはかなり強い印象が残っているはずですよね。

魔法のインパクトを利用して単語を増やしましょう。

今日は『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』より、

"アセンディオ!"を紹介します。

記事後半にいくに連れてレベルを上げてますので、上級者の方もお楽しみに。


2013年11月6日水曜日

『Vフォー・ヴェンデッタ』2013 その5 "Penny for the Guy."


『Vフォー・ヴェンデッタ』に捧ぐ連続更新、最終夜!

今日は説明がなければ分かりづらい3つの表現を紹介します。

① Johnny-on-the-spot (24:43)
② The Ghost of Christmas Past (34:44)
③ Penny for the Guy (1:52:26)


2013年11月4日月曜日

『Vフォー・ヴェンデッタ』2013 その4 "ダンスのない革命など革命に値しない"



さて、Vフォー・ヴェンデッタに捧ぐ連続更新、第4夜です。

今日はダンスシーンの名言をとりあげます。

Vの思想がよくあらわれた人気の高いセリフです。


では、直前のやりとりから見ていきましょう。


※ネタバレあります

2013年11月3日日曜日

『Vフォー・ヴェンデッタ』2013 その3 フィンガーマンって何?



Vフォー・ヴェンデッタに捧ぐ5夜連続更新、第3夜です...!

今日は秘密警察、フィンガーマンの名前の由来と、

twitterで質問をしていただいたので、シャドー・ギャラリーに初めてイヴィーが来たときの台詞について解説します!

では...!

まずフィンガーマンについてです。

『Vフォー・ヴェンデッタ』の舞台となっている第3次世界大戦後のイングランドでは全体主義、いわゆるナチスドイツのような独裁政治が行われています。

そして施行されている新しい法律(the New Order)に基づいて作られた機関は

人間の身体に基づいて作られています。








では1つ1つ見ていきましょう。

① the Head 頭



これは議長であるアダム・サトラーを指します。

原作での名前はアダム・スーザンです。ヒトラーに近い名前にして連想させやすくしているんでしょう。


② the Mouth 口




人間の口にあたる機関がテレビ放送局のBTNです。

情報操作を行っている描写がたくさんでてきますよね。


③ the Eye, the Ear 目、耳






テレビの放送や街に設置されたスピーカーでの放送を管理、監視しているのが、目と耳にあたります。

Vがテレビ局を乗っ取ったときは、 目、口、耳を占拠したことになりますね。


③ the Nose 鼻




鼻は「においを嗅いで何か調べる」イメージが強いので、何かを調べる機関、諜報機関になります。

アメリカのCIA、イギリスのMI6に近いイメージです。

フィンチが所属しているのもthe Nose、国民の会話を盗聴する機関でもあります。



 ちなみに日本語で言う「首をつっこむ」は英語で言うと、

stick one's nose in ~ となります。

stickは「突き刺す」でしたよね。「鼻をつっこむ」となり、嗅ぎ回っているイメージとマッチします。


④ the Hand 手



これもCIAやMI6に近い機関です。

クリーディーがそのトップにいます。

原作では初めはアルモンドという人物が取り仕切っています。


⑤ the Fingermen 指





クリーディーがthe Handであったことからお気づきの人もいるでしょう。

the Hand直属の秘密警察だから、finger「指」という単語が使われているんですね。

クリーディーもフィンガーマンも機関として腐敗してますよね。


*****


ここからはシャドー・ギャラリーでのワンシーンを解説します。




初めてイヴィーがここに来た時、美術品をどうやって手に入れたのか訊ねるシーン(27:00あたり)があります。

twitterでこのシーンについて質問をいただいたので解説します...!




"Where did you get all this stuff?"

これに対するVの返答が、




"Oh, here and there. 
 Much of it from the vaults of the Ministry of Objectionable Materials."

here and thereは省略されてますね。「あちこちさ」と言っています。




"You stole them?"

盗んだの?と訊かれてVが答えるのが問題の台詞です。





"Oh, heavens no.
Stealing implies ownership." 

これもシンプルでいい台詞です。

implyは「〜を暗に意味する」「含意する」という意味ですが、involveと似ていますね。

「盗むというのは暗に所有者がいることを意味する」としてもいいですが、

ここではimplyを「必要とする」としておくと分かりやすいです。辞書にもこの意味で載ってます。

「盗むというのは、所有者を必要とする」

「持ち主がいなければ盗めない」ということですね。





"You can't steal from the censor.
 I merely reclaimed them."

the censorは検閲機関のことなので、the Noseのことでしょう。

主語になっているyouはイヴィーのことを言っているわけではなく、

一般的に検閲機関からは盗めないと言っています。

youが一般人を指すことも頭に入れておきましょう。


Stealing implies ownership.の意味と合わせると、


「検閲機関(禁制品取締局)にあるものには所有者がいないので、

持ち主がいないものを持ち帰っても盗みとは言えない」

ということですね。


merelyはonlyと同じ意味。

reclaimは「反対を主張する」→「返還を要求する」でいいですね。

claimは「主張する」という意味しかありませんが、

reclaimになると日本語の「クレームをつける」に近くなります。




今日はここで終わりです。

明日はVの台詞の中でも人気が高いダンスシーンの名言を掘り下げます!

お楽しみに!

*****
twitterで質問をしていただいた方、
いい質問をどうもありがとうございました。

リアクションが少ないブログでの更新で、
感想や質問をいただけのはとても嬉しいです。
質問があった方がいい記事にできると思うので今後もよろしくお願いします。

2013年11月2日土曜日

『Vフォー・ヴェンデッタ』2013 その2 原作コミックとの相違



Vフォー・ヴェンデッタに捧ぐ5夜連続更新 第2夜です。

昨日は自己紹介シーンを長ーく解説したので今日と明日はシンプルに映画の話だけです。

原作コミックを読む機会はあまりないと思うので、

原作と映画の相違点を紹介しますね。

では!

※ネタバレあります

『Vフォー・ヴェンデッタ』2013 その1 自己紹介スピーチ

 
"Remember, remember the fifth of November
Gunpowder, treason and plot
I see no reason why gunpowder treason
Should ever be forgot"



...さて!

Vフォー・ヴェンデッタに捧ぐ5夜連続更新、第1夜です...!

第1夜ということで物序盤のVの自己紹介シーンを掘り下げていきます。

まずは動画と台詞を載せておきます。

青字はプチ解説です。大事なところは赤で。





2013年11月1日金曜日

『Vフォー・ヴェンデッタ』過去記事まとめ 2011-2012


さて、11月になりました。

昨年同様、『Vフォー・ヴェンデッタ』関連の記事を5夜連続でお届けします。

今夜から開始する予定ですが、

その前に過去の記事をまとめておきますので、

よければ興味がわく所から読んでみて下さい。


① V for Vendetta
2011年に書いた記事。Vの自己紹介スピーチを載せてます。ただ本当に載せてるだけです... 今年はこのあたりをもっと掘り下げていきます。トリビア的になりそう...

②  Vフォー・ヴェンデッタ その1
ここからは2012年に書いた記事。最初に屋上に上がったシーンのセリフを紹介しています。

③  Vフォー・ヴェンデッタ その1 補足
その1の記事のセリフをやや深めに解説してます。文法事項にも触れてます。

④  Vフォー・ヴェンデッタ その2
Vがイヴィーに朝食を作るシーン。シェイクスピアのマクベスの引用について触れてます。

⑤  Vフォー・ヴェンデッタ その3
一番アクセス数が多い記事です。Vとイヴィーのダンスのシーン。シェイクスピアの十二夜の引用について触れてます。

⑥ Vフォー・ヴェンデッタ その4
僕としては一番読んでほしい記事かも。Vの好きな映画『巌窟王』についてふれてます。さらにラストシーン付近の「私は怪物なのだ」と訳される"I have no tree waiting for me."というセリフの解説をしています。英語と日本語字幕のギャップが感じられるシーンです。

⑦ Vフォー・ヴェンデッタ その5
シェイクスピアの引用シーンのまとめ、Vのスピーチの紹介をしています。
1. 登場シーン マクベス 第1幕 第2場
2. 登場シーン ハムレット 第3幕 第1場
3. 司祭への復習 リチャード三世 第1幕 第3場
4. 朝食シーン マクベス 第1幕 第7場   その2で解説
5. ダンスシーン 十二夜 第1幕 第2場     その3で解説

スピーチにももっと詳しく解説したいセリフがあるので、

今年はトリビアと名台詞が中心になりそうです。


解説してほしいシーンがあれば
twitter @ShuheiOkazaki
facebook shuhei.okazaki へ
もしくはメールでリクエストしてください。

できるかぎり応えます。できなかったらごめんなさい。。。




2013年10月28日月曜日

『華麗なるギャツビー』楽曲解説その4 ”Over The Love”


今回はFlorence + The Machineの "Over The Love"です!

*****
ギャツビー関連記事
音楽で語る映画、『華麗なるギャツビー』
『華麗なるギャツビー』楽曲解説その1"Young And Beautiful"
『華麗なるギャツビー』楽曲解説その2"Together"

『華麗なるギャツビー』『欲望のバージニア』、狂騒の1920年代
『華麗なるギャツビー』楽曲解説その3 "100$ BILL"



*****

この曲もギャツビーの世界観を構成する上で重要な役割を持っているのでしっかり解説していきます。

歌詞に登場する、yellow dressやgreen lightの色の比喩について詳しくふれていきます。

日本人が「黄色」に対して持つイメージは「明るい」や「注意」ですよね。

英語圏の人たちがそれぞれの色に対してどういうイメージを持っているか見ていきましょう...!

Florence + The Machine "Over The Love"


2013年10月14日月曜日

『華麗なるギャツビー』楽曲解説その3 "100$ BILL"


DVD,Blu-rayが発売&レンタル開始したので、楽曲解説の続きをやっていきます!

*****
解説第1弾、第2弾はこちらから

『華麗なるギャツビー』楽曲解説その1"Yong And Beautiful"
『華麗なるギャツビー』楽曲解説その2 "Together"
*****
今回はJAY Zの"100$ BILL"です。

ヒップホップは普段聴かないのでよくわかりませんが、

歌詞にベンジャミン・フランクリンやマーク・トゥエインが登場するのでけっこうおもしろくなるんじゃないかと思いつつ....

はじめます...!




2013年9月1日日曜日

『マン・オブ・スティール』鋼鉄の男の「ガッツ」”gut”




『マン・オブ・スティール』観てきました。

今日は映画の感想と、「ガッツ」"gut"という単語について考えていきます。





解説
「ダークナイト」のクリストファー・ノーランが製作、「300 スリーハンドレッド」のザック・スナイダー監督のメガホンでリブートされた新たな「スーパーマン」。無敵の能力を備えながらも、それゆえに苦悩して育った青年クラーク・ケントが、いかにしてスーパーマンとして立ち上がったのか、これまで描かれてこなかったスーパーマン誕生の物語を描く。クラーク・ケント= スーパーマンに、新鋭ヘンリー・カビルを抜擢。育ての親ジョナサン・ケントにケビン・コスナー、生みの親ジョー=エルにラッセル・クロウ、ヒロインのロ イス・レインにエイミー・アダムス、仇敵ゾッド将軍にマイケル・シャノンなど豪華キャストが集結。脚本に「ダークナイト」3部作のデビッド・S・ゴイ ヤー。音楽も「ダークナイト」や「インセプション」など、近年のノーラン作品を手がけているハンス・ジマーが担当。(映画.com)



2013年8月19日月曜日

『欲望のバージニア』不滅の兄弟のお話 問題の解説


前回の記事で出した問題の解説です。
『欲望のバージニア』”invincible” 不滅の兄弟のお話


問 下線部と同じ意味になるものを1~4の中から選びなさい。
 You must bring home to her that she is wrong.
 1. believe       2. convince      3. scold       4. tell
中央大学


 まずbring home to + (人) + (物)「(人)に(物)のことを痛感させる」という熟語の成り立ちを考えてみましょう。


home以前の解説心が帰る場所」と定義しました。
『レ・ミゼラブル』 home 〜心が帰る場所〜

Bring  Him Homeは

「彼を(愛するコゼットのもと)へ帰して」
              →マリウスの心の中心

Bring me homeは

「私を(天国へ)連れて行って」
    →ジャン・バルジャンの心の中心 

ということでした。
  


bring home to (人) + (物)という熟語になった場合もhomeの考え方は同じで、

「心の中心に」という副詞として考えるとよいです。 

またこの熟語を元の形に戻すとbring home (物) to (人)となります。

つまり、(物)(人)の心の中心に持って行くという意味ですね。

例えば、
His mother's illness brought home to him how much he depended on her

直訳すると

母親の病気がどれだけ彼が母親に頼っていたか彼の心の中心に持って行った。

となるので、

どれだけ彼が母親に頼っていたか表面的にではなく、心の奥底までどっぷりと分からせた。


ということになります。
 
そこから「痛感させる」「しみじみと分からせる」という意味が生まれて来ています。


なので、問題の文章の意味は、

You must bring home to her that she is wrong.

「あなたは彼女に彼女が間違っているということを心の奥底まで分からせなくてはならない。
→痛感させなくてはならない。」

となります。

これで、選択肢のconvince「相手の頭の中を完全に征服する→確信させる」が正解になることが分かります。


*****

bring home toは少し難しい熟語ですが一つ一つの単語や文章がとっている形の意味を考えるとグッと理解しやすくなりますよね。







ここからはやや蛇足ですが、受験生には知っておいてほしいので...

② 語法的アプローチ

問 下線部と同じ意味になるものを1~4の中から選びなさい。
 You must bring home to her that she is wrong.
 1. believe       2. convince      3. scold       4. tell
中央大学

下線部以下を見てみると、人 + that 節 が続いていることが分かります。

こういう形を見た瞬間、後ろにこの形をとる動詞を選択肢から探してください。

人+that節を後ろにとる動詞は全て「伝える」系の動詞です。
(瞬時に7つ言えるとかっこいい...!)

この選択肢の中だと tell と convince が該当します。

これで正解を2つまで絞ることができました。

あとは tell の「伝える」という意味か、convince の「確信させる、納得させる」という
意味のどちらが当てはまるか考えれば正解にたどり着けるはずです。

ちなみに

believeは believe that s + v

scoldは「叱る」なのでblame「責める」と同じ形をとることを覚えておくとよいです。

→ blame 人 for 理由










 

2013年8月17日土曜日

『欲望のバージニア』”invincible” 不滅の兄弟のお話



今日は『欲望のバージニア』を掘り下げて、少しだけ単語の話をします。

禁酒法の時代背景については前回の記事で触れたのでこちらを参考に。

『華麗なるギャツビー』『欲望のバージニア』、狂騒の1920年代



 『欲望のバージニア』
あらすじ: 禁酒法時代のバージニア州、ボンデュラント3兄弟は密造酒ビジネスで幅を利かせていた。野心家の三男ジャック(シャイア・ラブーフ)は牧師の娘バーサの気 を引こうと苦心し、リーダー格の次男フォレスト(トム・ハーディ)は、シカゴから来たワケありの過去を持っていそうな女性マギー(ジェシカ・チャステイ ン)と恋仲になる。そんな時、新たに着任した特別補佐官レイクス(ガイ・ピアース)が法外な賄賂を求めてくる。レイクスの要求を拒否した兄弟は、非道な脅迫にさらされることとなり……。シネマトゥデイ
 
とまあ、あらすじはコピペで済ませますが、 物語の主人公は実在した「不滅」の三兄弟、ボンデュラント兄弟です。

「不滅」と言われてるくらいなので、もう全然死にません。






そんななか、3兄弟の末っ子であるジャック(シャイア・プーフ)に対して、ヒロインのミア・ワシコウスカ(かわいい)が言うセリフの中に "invincible" という単語があります。

この"invincible"「不滅」という意味で使われています。

この単語を分解すると、

in + vinc + ible

となり、in「否定」vinc「征服する」ibleは「〜されることができる」

=「征服されることができない」→「無敵」「不滅」といった感じで一つの単語ができていることがわかります。


vincの「征服する」という意味はvictoryの「勝利」と同じ。相手の領土を「征服する」=「勝利」です。


-ibleや-ableと動詞が組合わさった形容詞は言い換えれば can be + 過去分詞

なので、incredibleやunbelievable「信じられない」と合わせて考えると応用が利きます。

(ちなみにincredibleのcredは「信用する」意味で、クレジットカードは「信用」に基づいて後からお金を払うシステム、会社などで使われるクレドは「信条」の意味ですね。)


invincibleという単語は『スパイダーマン』の悪役グリーンゴブリンのセリフや、昨日DVDで観た『オズ はじまりの物語』でも登場していました。

この単語を使って「不滅」と言われた『欲望のバージニア』のジャックは

「invincible...意味わかんないけど響きがかっこいいね...!」

くらいの反応だったので酒の密造とかしちゃってる教養のない人にはレベルの高い単語みたいですが、分解して考えれば覚えやすいので覚えていい単語だと思います。
(意味もかっこいいし...!)



受験生向けに一つ書いておくと、

vincやvicという部品は入試に頻出のconvinceという単語の一部でもあります。

「納得させる」という意味で使われますが、 

conは「完全に」という意味の強意の意味でcompleteのcomと同じなので

相手の頭の中を自分の考えで完全に征服するという意味が本来の意味です。


そこから「納得させる」「確信させる」という意味に繋がっているんですね。


以前『レ・ミゼラブル』の記事で登場したhomeの意味と合わせて下の問題を考えてみるとおもしろいです。

問 下線部と同じ意味になるものを1~4の中から選びなさい。
You must bring home to her that she is wrong.
 1. believe       2. convince      3. scold       4. tell
中央大学


答えと解説は次回に持ち越します!

お楽しみに!







2013年8月16日金曜日

『華麗なるギャツビー』『欲望のバージニア』、狂騒の1920年代

仕事が少し落ち着いたので、7月, 8月に観た映画を少しずつまとめていこうと思います。

まずは以前予告していた『華麗なるギャツビー』の舞台となっている禁酒法時代の話から!

そして同じ時代を舞台としている『欲望のバージニア』に触れていきます。





『華麗なるギャツビー』
あらすじ:ニック(トビー・マグワイア)が暮らす家の隣に建つ、ぜいを凝らした宮殿のような豪邸。ニックは、そこで毎晩のように盛大なパーティーを開く若き大富豪 ジェイ・ギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)と言葉を交わす仲になる。どこからやって来たのか、いかにしてばく大な富を得たのか、なぜパーティーを開 催し続けるのか、日を追うごとに彼への疑問を大きく膨らませていくニック。やがて、名家の出身ながらも身寄りがないこと、戦争でさまざまな勲章を受けたことなどを明かされるが、ニックはこの話に疑念を持つ。(シネマトゥデイ)





 『欲望のバージニア』
あらすじ: 禁酒法時代のバージニア州、ボンデュラント3兄弟は密造酒ビジネスで幅を利かせていた。野心家の三男ジャック(シャイア・ラブーフ)は牧師の娘バーサの気を引こうと苦心し、リーダー格の次男フォレスト(トム・ハーディ)は、シカゴから来たワケありの過去を持っていそうな女性マギー(ジェシカ・チャステイ ン)と恋仲になる。そんな時、新たに着任した特別補佐官レイクス(ガイ・ピアース)が法外な賄賂を求めてくる。レイクスの要求を拒否した兄弟は、非道な脅迫にさらされることとなり……。シネマトゥデイ



『華麗なるギャツビー』と『欲望のバージニア』 はどちらも同じ1920年代を舞台としています。

アメリカが1917年に第一次世界大戦に参加し、イギリスやフランスへの食糧・軍事物資の輸出が急増したことから、自動車・電気・石油産業が著しく成長しました。

それにともない、大量生産・大量消費、モータリゼーション、ジャズや映画といった大衆文化の発達など、現代の生活様式の原型となるようなアメリカ文化が誕生し、1920年代はアメリカの黄金時代と言われています。

しかし、その裏で1919年の禁酒法が制定され、酒の密造・密売で利益をあげたマフィアや野心を持った人々が力をつけていきます。

禁酒法の裏で力をつけたマフィアの代表格は『ゴッドファーザー』のモデルとなっているアル・カポネでしょう。(『ゴッドファーザー』はアル・カポネをモデルにしていますが、時代背景は第二次大戦後なので禁酒法の描写はありませんが。。)

そして、ギャツビーや『欲望のバージニア』に登場するボンデュラント兄弟も、禁酒法の裏で違法に力をつけた野心家だったわけです。


2つの映画を比べてみると同じ時代であるにもかかわらず、かなり景色が違っていることがわかると思います。

これはニューヨークとバージニアの地域の差で、アメリカが急成長を続ける中で人口が都市に集中していったことを象徴しています。

『華麗なるギャツビー』の舞台のニューヨークは華やかですが、『欲望のバージニア』は田舎感がありますよね。(ギャツビーの華やかさはバズ・ラーマン監督の”過剰な”演出なので実際はもう少し落ち着いていたはずですが。笑)


禁酒法時代を舞台にした映画、特にギャングものは人気があるようで調べていたらたくさん出てきました。

『お熱いのがお好き』(1959)
『俺たちに明日はない』(1967)
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984)
『スカーフェイス』(1983)
『アンタッチャブル』(1987)
『ミラーズ・クロッシング』(1990)

同じ時代を背景にした映画を並べて観るのも、いろいろ勉強になって楽しいです。


*****


7月、8月は『モンスターズ・ユニバーシティ』『アフター・アース』『ワールド・ウォーZ』『ローン・レンジャー』も観たので、近いうちに記事にしていこうかなと思っています。

『世界にひとつのプレイブック』『ムーンライズ・キングダム』『クラウド・アトラス』あたりもレンタル開始したので書こうかな。。

こんなこと言いながらいつも1ヶ月くらい放置しちゃうので頑張ります。。


2013年7月9日火曜日

『華麗なるギャツビー』楽曲解説その2"Together"



前回の"Young And Beautiful"の解説からだいぶ時間があいちゃいました。

*****
解説第1弾はこちらから
『華麗なるギャツビー』楽曲解説その1"Yong And Beautiful"
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今回はThe XXの"Together"


『風たちぬ』や『モンスターズ・ユニバーシティ』におされ、

上映回数もかなり減ってきてますが、

映画館行って観ましょうね!

まずは歌詞と対訳です。


2013年7月1日月曜日

『華麗なるギャツビー』楽曲解説その1"Young And Beautiful"


映画監督、バズ・ラーマンは音楽を効果的に使うことで知られていますが、

今回の『華麗なるギャツビー』ではこれまで以上に楽曲を前面に押し出してきています。

中でも本作のために書き下ろされた曲は、

登場人物の心理描写にめちゃめちゃ影響してます。

そんな素晴らしい曲をただのBGMで終わらせておくのはもったいない!

・・・ので、解説します!
 
第一弾はLana Del Reyの "Young And Beautiful"



映画の中でも流れる回数が一番多い曲です。

インスト(歌なし)、フォックストロット調でも使われています。

この曲、聴けば聴くほど、誰の視点で歌われているのか判断するのが難しい。


まずは、歌詞と対訳から紹介していきます。