連続更新、第四夜です。
今日は映画の中でVとイヴィーが見ている「巌窟王」という映画について触れていきます。
*ネタバレあります
Youtubeに動画が上がっていました。
このシーンです。
今回注目したいのは、Vが復讐に向かうシーンのセリフなので、
そこまではサクサク進みます。
鎧を相手に本気で闘います。
God. I hope I didn't wake you.
No. I just thought you were fighting.
I mean, for real.
My favorite film.
The Count of Monte Cristo,
with Robert Donat as Edmond Danates.
「巌窟王」原題(The Count of Monte Cristo)は元が小説で何度も映画化されてます。
R・ドーナット主演の巌窟王は1934年のものです。
エドモンド・ダンテスが自分をおとしいれた人々に復讐を行っていくストーリーが、
Vの復讐と重ねられてるんですね。
It gets me every time.
getの使い方がいいですね。
「心をとらえる」感じです。
Never seen it.
Would you like to?
Does it have a happy ending?
As only celluloid can deliver.
セルロイドは映画のフィルムのことです。
deliverはderivery(デリバリー)の動詞で「配達する」という意味ですが、
「観ている人に意味を配達する」ので「伝える」という意味で使われています。
Okay.
コンサートのときといい、ダンスの時といい、
Vって誘い上手ですよね。
Put the sword away.
このセリフもけっこう好きです。
"May we come up?"
「巌窟王」を観ているシーン。
映画の中の男性が言っているセリフです。
復讐を果たした後、恋人と木の上にいるエドモンドに対して、
自分たちも上がっていいかたずねてるんですね。
You find your own tree.
映画の中のエドモンドのセリフに、Vが合わせて言います。
Did you like it.
Yeah,
But it made me sorry for Mercedes.
メルセデスはエドモンドの恋人です。
Why?
Because he cared more about revenge
than he did about her.
恋人であるメルセデスの事より復讐を優先していたから、
かわいそうだと言っているんですね。
Vとイヴィーの視点の違いが分かります。
復讐に燃えるVはもちろんエドモンドの視点で、
イヴィーはその恋人であるメルセデスの視点で感想を述べています。
*****
ここからシーンは飛びますが、Vが復讐に向かうシーンに入ります。
Where are you going?
The time has come for me
to meet my maker...
Vをこんなふうにした張本人に復讐する時が来たんですね。
...and to repay him in kind
for all that he's done.
V, wait!
Please, you don't have to do this.
復讐なんてする必要は無いと、Vを止めようとします。
You could let it go.
You could leave here together.
復讐はそのままにしておいて、一緒にここから出ようと、言っています。
イヴィーは誘い下手です。
No. You were right about what I am.
イヴィーがかつてVに対して、
You are sick! You are evil!と言ったことを言っているんでしょう。
*また見直していたら、monsterという単語を使っているシーンがありました。(追記11/5)
I have no tree waiting for me.
ここが今日の大事なとこです!
このセリフは「私は怪物なのだ」と訳されていますが、
忠実に訳すと「私がのぼる木など無いのだ」という訳になります。
つまり、一緒に観た「巌窟王」のラストシーンの
エドモンドが恋人と二人で木にのぼっていたシーンと対比しているんですね。
映画のようにハッピーエンドで終わることはできないと・・・
少し顔を伏せているのが切ないです。
字幕にけちをつける気はありませんが、
日本語字幕だけで観ていると
このニュアンスには気づかないと思います。
この後のシーンもすごく好きなシーンなので
是非、復習がてら映画を見てみてください。
こんにちは。2013年の今になってVのファンになりました。原文と日本語訳とのニュアンス、だいぶ違いますよね。解説してくださってありがとうございます。
返信削除コメントありがとうございます。
削除映像字幕という制約がある以上、ニュアンスが違ってくるのは仕方が無いですが、意識して観るのと何も知らずに観るのとでは、映画そのものの理解もだいぶ違ってきますね。
今後も頑張って解説するのでどうぞよろしくお願いします。
こんにちは。先日Vを初めて見て、すっかりファンになり・・ただ観ただけで終わられたくなくてあれこれネットを彷徨っていたところ、こちらにたどり着きました。英語と映画が大好きな私としては嬉しく思っています。
返信削除テレビ放送で見たのですが、字幕と実際のセリフとの違いがところどころ解りました。
ラストのI have no tree・・は気が付かなかったです。そうだったのか!解説をありがとうございます。何度でも観たいと思いました。また、ダークナイトやショーシャンク、シャイニングなど好きな映画がほとんど同じなので、これからも楽しみにしております。
こんにちは。コメントありがとうございます。Vの記事はまた来年の11月に更新すると思うのでそのときも是非読んでみてください。年明けになるかもしれませんがダークナイトの記事もたくさん書きたいのでこれからもよろしくおねがいします。
返信削除最近になって初めてこの映画を見て、すごく心揺さぶられました。字幕版で見ましたが、Ⅴの “ Ī have no waiting for tree. ”というセリフには気づかなかったのでここを訪れてよかったです。もとの巌窟王も見てみたいと思います。
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