連続更新、第三夜です。
今日はシェイクスピア「十二夜」の引用を行うシーンを解説します。
また、Vの名言が炸裂します。
例によってネタバレがあるので、是非映画を見てから読んでください。
BGMはこれしかないでしょう。
革命前夜、Vがイヴィーをダンスに誘うシーンから始めていきます。
“踊ってくれないか?”
イヴィーは大切な日の前夜なのにダンスを踊ることに疑問を持ちます。
“今から?”
“革命前夜に?”
Vはこう返します。
“ダンスのない革命など
革命に値しない”
これも名台詞です。
“よろこんで”
ジュークボックスもかっこいいですね。
曲が流れ、ダンスが始まります。
“大変だったでしょう
政府はあなたを恐れてビクビクしてるわ”
革命の準備として、国民に仮面を配り、
政府を混乱させているVに対してイヴィーがかけている言葉です。
“今夜サトラーが声明を出すそうよ”
それだけ政府にとっては一大事ということですね。
“マスクは独創的だったわ”
国民にマスクを配ったアイデアを讃えています。
“そこら中にあなたがいるのは不思議だったわ”
次のセリフが「十二夜」の引用です。
"Conceal me what I am,
and be my aid
for such disguise as haply shall become
the form of my intent."
“正体を隠すのを手伝って
変装がうまくいくように”
これは「十二夜」の主人公ヴァイオラが、乗っていた船が難破し、
イリリアという国の浜辺で介抱してくれている船長に対して言うセリフです。
彼女は自分の身を守るために、正体を隠す必要がありました。
現代の文法とは異なるので、詳しくは説明できませんが、
concealは「隠す」
what I amは「私の正体」
disguiseは「変装」
なので、
「私の正体を隠して、変装がうまくいくように手伝って」
と船長に頼んでいるんですね。
Vがここで「十二夜」の引用を用いたのは、
前回紹介した「マクベス」の引用をしたときに、
イヴィーが「十二夜」のヴァイオラを演じたことがあることを
聞いていたからですね。
洒落てます。
この引用に対して、イヴィーは
“「十二夜」ね”
と答え、Vも
“ヴァイオラだ”
と返します。
この後に続くシーンもすごく好きなシーンです。
何が理解できないのかは、もう一度映画を見て確認しましょう。
では、今日はこのへんで。
明日は「巌窟王」について触れていきます。
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