2012年7月14日土曜日

ground (解説編)

前回の福大の問題の解説です。

けっこうヘトヘトですが頑張って書くので是非、お付き合いください。。



まずは、英文を。

   There are many different types of place to eat. One important question is who uses different places and how often they go. People behave differently, depending on their social and cultural characteristics. It is true that there are practical restrictions encouraging or restricting the opportunity to eat out. Caring for young children can be a restriction, making it difficult to get out in the evening. In contrast, for people living alone, there are little grounds for devoting the effort to cook an elaborate meal just for one.




動名詞が主語になってたり、分詞構文も出て来てたり、なかなか良い問題だなあと思うんですが、
今日はとにかくgroundです。




twitter, facebookでgroundのイメージを聞いたところ、




まず、「地面、校庭、土、野球」


まさにグラウンド。
(写真載せる必要もないですが一応...)















これが日本人のもつイメージですね。







そして、「底になるもの・基準・基盤」


















靴の....





「底」です。




今回のground(グラウンド)は
キノコ:mushroomと違って、英語がそのまま日本語になっているせいか、
かなり英語らしいイメージで答えていただけました。

僕が感覚的に持っているgroundのイメージも「底」に近いです。



今回の英文中ではこの「底」のイメージが 

「理由」という意味に発展しています。




では、なぜ「底」が「理由」になるのでしょうか。

今回はネイティブに確認とったりしてないので、自由に考えてみます。



①「理由=場所」という概念。

数学や科学の証明では、論理構成をしていく際に、「ここで」という言葉を使います。
 (数学を勉強したことがある方なら覚えがあるはず...)

数学は日本に入る前に、西欧諸国で発達したものなので「ここで」という言葉を使うのは、英語的であると言ってもいいはずです。

(数学:古くは紀元前500年ごろの古代ギリシャにさかのぼります。ピタゴラスって有名ですよね。このころ日本は縄文・弥生時代なので、日本人が土偶とか竪穴式住居とかつくってたころに西欧では数学や哲学が発展していたわけです。)←合ってるか不安

実際に、wikipediaで拾った証明では日本語の「ここで」に相当する"where"が使われています。 7行目にwhereがありますね。



(研究室に引用したい教科書を置いてきてしまったのでやむを得ずwikipediaです。ご了承ください。火曜くらいに追記で教科書の写真載せます。)


つまり、「底=理由」となるのも、 「底」「何かの深い部分・場所」を意味しているからではないかと思うわけです。


底→物事の根底にあるもの→理由・根拠
といった感じです。

英語圏やヨーロッパの方々は、論理構成をする際に頭の中に「開けた場所」のようなものを想像してるのではないのかなと。

他にも「それ故に」という意味で使われる"therefore"にもthereとい「場所」が含まれてますよね。



② 基礎工事

「理由=場所」という概念をもう少し深めてみます。
哲学・数学・物理・化学などの学問は西欧諸国で発達してきました。

つまり、西欧諸国で論理的な考え方が発達してきたということです。

数学においては一つ一つの定義を、化学においては目に見えないものまでも論理で解き明かします。
その論理的思考の基盤にあるのが、理由なわけです。


イメージとしては「基礎工事」です。




基礎工事がしっかりしていなければ、

論理構成というドでかいビルを建てようとしても、

途中で崩れてしまいます。




どんなにいい考えに思えても、

基礎工事となる理由がしっかりしていなければ、

他人の支持を集める前に崩れさってしまうわけですね。




日本語と英語を比べてみると分かるとおり、

英語はルールでガチガチ、つまり論理的ですが、

日本語には意識するほどルールはないですよね。

(ルールがないぶん日本語を学ぶ外国人はけっこー苦労するらしいです。)




③ コペルニクスの地動説

思いつきで、もう一つ。


ご存知のとおり、groundには「大地」という意味があります。

「大地」と「理由」に共通するものが何であるか考えてみると、

どちらも最優先するくらい大事なものなんです。 

15世紀にコペルニクスが地動説を唱えるまでは、天動説が信じられていました。つまり、「大地」が全ての基盤であって、固定されている絶対的な存在だったわけです。

また「理由」も、論理的な思考を行う西欧諸国の人々にとっては、揺るがない(揺らいではいけない)絶対的な真理でなくてはならないはずです。




以上の3点から

なぜgroundが「理由」という意味になるのか、

英語を話す人の頭の中がどうなっているのか、

分かっていただけたでしょうか。

あくまで個人的な考えですが、納得してもらえると嬉しいです。




日本人は、理屈っぽいことを嫌う傾向がある気がしますが、

ただ話をするときも、論理性を意識した方が、

相手に自分の言いたいことが分かってもらえるはずです。

英語を勉強するときも、効率よく学べます。



予告通りと言いますか、全く英文に触れてないので、(もう今日はやる元気ない。。)
解説してほしい方はtwitter,facebookでコメントください。。


では!



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追記

量子化学の教科書の証明に使ってある"where"です


2ページに1個くらいの頻度で出てきます。





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