2012年4月27日金曜日

キノコの件(解説編 )

予告通り、前回載せた九州大学の英文を解説します。

今回注目するのは下線を引いたmushroomという単語です。

なお、今回は触れませんが、関連に気づく人がいるといいなってことで第2文も載せてます。

すぐに辞書は引かずに、mushroomの意味を予測しながら読んでみてください。

(授業ではなくブログなんで、ネットで拾った画像を好き勝手に使いながら好き勝手に解説します。) 


① *Shrimp aquaculture or farming first became profitable about 20 years ago and has since mushroomed into a major industry in developing countries. 

② While total catches of wild shrimp have remained relatively stable at about 2 million *metric tons per year over the past two decades, farm-raised production has exploded from around 80,000 metric tons in 1980 to more than 1 million metric tons in 2000. 



さて、みなさんはmushroom(キノコ)と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。




Twitterで質問した所、



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「マリオ」

ご存知、スーパーマリオです。

キノコとるとでっかくなりますもんね。












「不気味」

「キノコ 不気味」で検索したらでてきた画像。

ロシアのお化けキノコらしいです。

食べてる画像もあったんですが、けっこうおいしそうです。











 「ファンタジー」



映画「アリス・イン・ワンダーランド」のワンシーンです。

ファンタジーですね。

こういう世界観好きです。











 「分解者」

生物の授業で出てきますね。
 
農学部の友達が答えたんですが、割と予想外な解答でした。




「おいしい」

そう、キノコは美味いです。


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こんな感じでした。

ここまでが日本人の解答です。




ここからが本題なので、しっかり読んでもらえたら嬉しいです。

Twitterで質問するのと同時に、Facebookで外国人にも質問しました。



意図を説明せずに質問したのでけっこう無視されましたが、



アメリカ人の友達がまず答えたのは、



「マリオ」



これは日本人と変わらないみたいです。


もうちょっと深く聞いてみて出てきた答えが、



"explosion"



「爆発」です。





こんな感じですね。↓




















 なるほどなあって感じでした。


 形もそうですが、キノコが胞子をまき散らしながら、 

爆発的に広がるイメージを持ってるんでしょうね。


これはおそらく日本人には無い感覚なんじゃないかと思います。


(ちなみに僕が問題の英文を初めて読んだ時は、違うアプローチでmushroomの意味を予測しましたが、 キノコって成長早いし、そんなもんなんだろうなって思ってました。今回TwitterやらFacebookやらで聞いてみるまでザックリとした感覚しか持ってなかったので聞いてみてよかったです。)





・・・長々と書いちゃってるんで、そろそろ和訳します。



まず、前半部分 and の手前までサクッといきます。

Shrimp aquaculture or farming first became profitable about 20 years ago

「エビの養殖は約20年前に初めて利益を生み始めた」

って訳してもいいですが、

about 20 years agoが後ろにあるのでそこを意識しながら訳しましょう。

英語で書いてある語順通りに訳す方が元の英文のニュアンスを崩さずに訳せます。

つまり、

「エビの養殖が初めて利益を生み始めたのは、約20年前のことだった」

 ですね。




はい、次、今回のポイントです。

 and has since mushroomed into a major industry in developing countries.


mushroomが動詞で使われてますね。

先ほどのアメリカ人の感覚で意味を想像してみてください。


爆発でしたね。


つまり、エビの養殖が発展途上国(developing country)で主要産業へと、

爆発的に成長してきた ってことです。


爆発的に成長するイメージを持ってるから、マリオがキノコをとったらでっかくなるのかもしれないですね。




訳をまとめると、

「エビの養殖が初めて利益を生み始めたのは約20年前のことだったが、発展途上国ではそれ以来、主要な産業へと爆発的に成長してきた。」

となります。過去形、完了形で時制が異なるのでそこにも注意が必要です。






さて、一つの単語に注目して解説してきましたが、

何が言いたいかといいますと、


日本人とアメリカ人ではmushroom(キノコ)って単語一つに関しても、

異なるイメージを持っているということです。


それは、言葉が違うから、


つまり、文化が違うからです。


英語を勉強する上で、英語でコミュニケーションをとれるようになるのも、

もちろん大切ですが、


こういった文化や感覚の違いを感じることができるのも、

英語を勉強する魅力の一つなんじゃないかと思います。




すっごい眠たいし、いい感じにシメれたので今日はこの辺で。

反響があれば、違うアプローチでの解説や、第2文の解説も行います。

誰も何も言ってくれなかったらスネます。

おやすみなさい。



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僕の突拍子もない質問に答えてくれた方々、ありがとうございました。

おかげで楽しく記事が書けました。

また、こういうのやろうと思うのでそのときはどうぞよろしくお願いします。

2 件のコメント:

  1. 文化によってイメージをどのように言葉に置き換えてきたか、表現してきたか、その違いについて考えるのはとても面白いとおもったけど、今回のmushroomを例につかうのはちょっと難があるのでは、と思いました。

    まず一点。mushroomのイメージを外国人に、キノコのイメージを日本人に聞く時点で、すでに言葉のバイアスがかかっているのではないかということ。mushroomというのは特に珍しい動詞ではなくて、「急速に、劇的に広がる」という動詞でわりと普通に用いられる動詞であることも考えると、mushroomと聞いて、外国人の頭の中には名詞と動詞、どちらも一対のイメージ、もしくは総合的なイメージとなって浮かんでくるというのも考えられないかなということです。mushroomを日本語のキノコにすると、キノコのイメージというと名詞のキノコからのみ発展するイメージかな、と。

    2点目に、mushroomが爆発とつながったのは、岡崎さんが選んだ写真がそのまんま示している「キノコ雲」のイメージからきているのではないかということ。キノコが「爆発的に広がる、爆発的に成長する」からではなくて「爆発そのもの」だからだと思いました。mushroomというキーワードを単純に頭の中で画像検索してみたら候補としてmushroom cloudが出てきた感じでしょうか。

    この2点が今回の例ではどうも明瞭じゃないかなと思って、もやっとしました。でも言葉の背後にあるイメージが異なることから言葉が発展するというのは必ずあると思います。だから、次回のgroundはまた楽しみにしてます。

    個人的に、今回の例を考察するとしたら、mushroomキーワードを聞いてそこからイメージを引き出すプロセスの違いとかにも関連して話すことができるかなと思いました!

    今更長々と失礼しました!更新楽しみにしてますー!

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    1. 理樹子さん

      コメントありがとうございます。

      確かに聞き方でバイアスがかかってしまいますね。次からはもう少し質問の仕方と単語の選び方を考えてみます。mushroomを選んだのはただキャッチーだからです...

      コメントしてもらったことを意識しつつ、groundの解説は少し趣向を変えてみたつもりです。

      “キーワードを聞いてそこからイメージを引き出すプロセスの違い”
      には触れられなかったので(僕の力不足です)、もっともっと勉強します。

      普段から西欧の文化に触れている理樹子さんの意見、とてもありがたいし面白いので、是非またコメントくださいね。

      おかざき

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